マシンガンズ
2023年09月28日
ライブは行けるものは行って、あとは配信を買ったりしています。
印象に残っているものの感想。
・6/8 THE SECOND LIVE 同争会
これはすごかった!
セカンド後、大きなライブに出るのは確か初めてだったはずです。
マシンガンズは勢いに乗って準優勝まで行ったけどもうネタはないはず、さてどんな漫才をやるのかと注目された状態で、でも始まったのはセカンドでやっていたネタそのまま…というところから、信じられないほどの大爆発。
日本青年館が揺れるぐらいの爆笑で、私も椅子から落ちそうなぐらい笑ったし周囲のお客さんも体を揺らしてヒーヒー笑っていました。これで「マシンガンズすごいぞ、まぐれじゃなかったぞ」となったのではないでしょうか。
他の出演者もみんな面白くて、トークも楽しくて、最高のライブでした。
・6/18 ガクテンソク単独ライブ「百代の過客」東京公演
奥田さんが「東京の選考会を見て、東京の非吉本の芸人を全部ぎゅっとしたらマシンガンズさんになると思った」みたいなことを言っていました。三四郎もウエストランドも、マシンガンズっぽい要素がありますよね。モグライダーもちょっとそうかもしれません。
そう思うと、ツービート、爆笑問題と続く東京漫才の流派をちゃんと受け継いでいるのがマシンガンズで、それを賞レースで示せたのは大きかったなあと思います。有名人の名前を織り交ぜたラフな漫才はM-1では減点要素になる面もありますが、ウエストランドも優勝したし、その流れに見事に乗れたのかなと。
・8/13 ダイタクトークライブ わかってもらえるさ
ゲストにマシンガンズ。
オープニングでダイタクの二人が、THE MANZAIの予選でウケていたのに落ちた時の話をしていました。おそらく2014年の二回戦のことで、マシンガンズが同日だったので私も見に行っています。
ジャンポケ、マシンガンズと大爆発して、その2組後に出てきたダイタクもすごくウケていたのですが、落ちてしまったという。おそらく大爆発した2組のあおりを受けて点数が伸びなかったと思っています。賞レースでよくある順番次第で結果が変わってしまうというケースですが、ダイタクはいまだにあの時のウケ方が人生で一番ということで、悔しいだろうなと思いました。
ただこの時のマシンガンズも信じられないぐらい爆発してたんですよね。あれはすごかった。系統で言うとそれこそ同争会みたいなネタです。
トークライブはマシンガンズの幼少期の頃から掘り下げる…というか詳しく聞き出すスタイルで、初めて聞く話もいろいろあって楽しかったです。
他にもライブは行けるものは行っています。
マシンガンズの快進撃が止まらなくて、ダウンタウンDXでマシンガンズがダウンタウンの横に座ったり、ananに出たり、夢みたいなことばかりでびっくりしています。
マシンガンズに出てほしい番組、やってほしい仕事なんて山のようにあったものの、これまでは相当アクロバティックなルートでないと実現しようがなかったんですよね。
爆笑ヒットパレードに出てほしい、東西ドリームネタ合戦に出てほしい、ドリームマッチが復活したら出てほしい…。
滝沢さんのゴミ関係の仕事から跳ねてとか、水ダウのケータリング持ち帰りから跳ねて、そこからネタ番組に出られれば…なんて考えていましたが、あまりにも遠すぎるし、よほどの奇跡がないとコンビでの仕事、ましてネタ番組にまではつながらないんですよね。
ただ、賞レース準優勝となると、この何もかもが一気に現実味のある願いになったのがすごいです。
だって賞レースで準優勝したんだから、この世のほとんど全てのお笑い仕事に呼ばれる可能性がいきなり出てきたんですよ。ファンとしては「どうにかして何かで引っかかって呼ばれて跳ねないか」と長年頭をひねっていたのに、いきなりお笑い番組に出入りできるチケットをもらったわけです。しかも正面玄関から堂々と。
その上、ネタで認められているからちゃんと二人で呼んでもらえますし。
もちろんこのチャンスを生かせるかはまたこれからの話ですが、これがロマンでなくて何なのかというぐらい、ロマンのあることだと思います。
で、最近マシンガンズに注目し始めた人だと、テレビに出ている二人を見てネタに比べて大人しいな、場慣れしていないなと思うかもしれませんが、昔のマシンガンズのバラエティ出演に比べると、どれも格段に面白くて上手にやれていると思います。
2009年から2010年ごろは少しバラエティに呼ばれていた記憶があるんですが、率直に言って、「コンビの特徴を生かしてうまくやれてたなあ」という記憶は全然ないです。
当時は見ていてもどかしくなることももっと多かったし、よく考えるとFM FUJIのラジオも回によって「今回は面白かったな」と思っていたりしたので、ラジオも当たりはずれが結構あったんだと思います。
以前テレビに出ている二人を見て思っていた欠点は、まさに「マルコポロリ!」で言われていた「二人いるのに同じことを言う」でした。ダブルツッコミだから二人がどう違う人なのかの役割分担が見ていてわからなかったんですが、ゴミと発明、あるいはビジュ爆発自撮りゴミおじさんとそれに引き気味の相棒というコンビになったことで、大体の話題には二人が違うスタンスで喋れるようになったと思います。いつの間にか欠点がちゃんと埋まっていたんですよね。
バラエティに出てちゃんと笑いを取って、ネガポジも毎回必ず面白い今のマシンガンズは、昔より確実に面白くなっているし、売れる準備が(ようやく)整った状態で世に出てこられたと思います。
あとは、マシンガンズが由緒正しい東京漫才の系譜にいる漫才師だということが認められて本当によかったです。
私は賞レースが大好きで、予選を見ながらメモを取るタイプのお笑いファンですが、私がファンになった時はM-1卒業後だったので、M-1決勝を目指すマシンガンズを見ることはできませんでした。
ずっとそのことが引っかかっていたので、THE MANZAIが始まった時はうれしかったですが、マシンガンズはそこでも決勝に行けなかったし、M-1のヒリヒリするような戦いとは種類が違うんだろうなと思って見ていました。(でも二人がものすごく頑張って挑んでいたことは事実です)
M-1が復活して芸歴制限が延びた時も、もっと前から15年までにしてほしかったなと思いましたし。
そこにいきなり現れたTHE SECONDですよ。予選が始まって爆ウケしまくって、準優勝まで行ってしまいました。テレビでネタをやれるか決まる、通常の賞レースで言うところの準決勝にあたる16→8を観覧できたのはものすごくラッキーでした。「あれだけウケたら人生変わらないとおかしい」と思うぐらいにウケていて、それがちゃんとその後につながったことがうれしいです。
「もしマシンガンズが賞レースの決勝に行ったら」というのは数えきれない回数想像してきましたが、優勝以外で思いつく限り理想的な展開は、「人気者やイケメン芸人、正統派芸人のカウンターとして評価されること」でした。
今回のTHE SECONDはまさにそうなったし、それどころか賞レースそのものに対するカウンターにもなりました。
どんな方法でも笑いを取ればそれでいいじゃないか、最悪ネタがなくたってそれをネタにして笑いを取ることだってできるんだというのは、これまでのお笑い賞レースの常識の一番根っこの部分に棒を突っ込んでひっくり返しかねないくらいの価値観の大転換だったと思います。
でもそれを「やってやるぞ、歴史変えてやるぞ」ではなくて、普段のままでやれてしまったのが、マシンガンズのすごさなんですよね。賞レース向きではなさそうなスタイルだからこそ、いざ賞レースの決勝に上がったらこんな大カウンターになってしまったという。
だからあの4時間は見ていてすごく興奮したし、決勝戦の漫才なんてネタがないというネタなのに「優勝あるんじゃないか?」と思ったんですよね。でも蓋を開けたら最低点で、次の日起きたら「まあそりゃそうか、だってネタがないんだから」と思いました。
ウエストランドの井口さんも同じようなことを言っていたので、マシンガンズを知っている人はみんな特殊な興奮状態で見ていたんだと思います。知ってるおじさん漫才師が、賞レース史上見たことのない戦い方で勝ち上がっていくんですから。
長年「マシンガンズファンである自分」と「賞レースマニアである自分」はバラバラの存在で、そのことがどこかコンプレックスでもあったのですが、マシンガンズが賞レースで超好成績を出したことでそのコンプレックスが唐突かつ一瞬で解消されたので、いまだに実感がわきません。
「面白い芸人さんなことはわかってるから賞レースで認められなくてもいいんだ」と頭では思っていても、やっぱり自分が大好きな賞レースというもので認められないのは悔しいし、認められたらめちゃくちゃうれしいですし。
マシンガンズが今まで絡んだことのない芸人さんたちと絡んでいるのも見ていて信じられないです。囲碁将棋も大好きなので、ライブとラジオで二回も共演していることが本当に信じられません。
マシンガンズを通して見てきたお笑い界とそれ以外のお笑い界は別物だったのに、それが重なってきているんですよね。
思い返してみると、ファンとしての思い出は悔しいことばかりでした。
THE MANZAIではウケたのに認定漫才師になれなかったり、やっと上がったサーキットでも苦戦したり。
ライブでは人気のある部類ではなかったので、開演前にフライヤーの束を見ているお客さんがマシンガンズが出るライブのフライヤーに「こんなの誰が見に行くの(笑)」と言っているのを聞いたこともあります。
あとは西堀さんのオールナイトニッポンRですね。うまくいかなくて一般のお笑いファンからもめちゃくちゃバカにされて、今ではネタになっているからいいのですが、どうして一人にオファーしたんだろうとずっと思っていました。アルピーのラジオで跳ねたからにしても、一人だけって。
ただ、もしあれが好評だったらだったで、次のオファーにつながるのはまた西堀さんだけで、それもうまくいったらコンビ格差なんて言われていたと思うんですよね。だから大チャンスだったのは事実でも、どっちに転んでも…という変なチャンスだった気がしています。
先日のオールナイトニッポン0では二人でちゃんとリベンジできてよかったです。あの時とは積んできた経験の量も違うとはいえ、やっぱりコンビで出ると出ないでは大違いですよ。
もともと、マシンガンズというコンビの歴史は、西堀さんが自信を持つまでの歴史だったのかもしれません。
滝沢さんはやれることはなんでもストイックにやれる人で、女装でも野球でも小説でも、何が仕事につながるかわからないからどんどんやっていくというタイプに見えます。
小説「かごめかごめ」を書いたのが芸人として売れるための最後のあがきだったという印象です。それと同時期にお子さんが生まれてごみ収集の仕事を始めて、諦めるかと思いきやまたごみのことをストイックにやり始めて、ごみ清掃芸人としてのポジションを得たんですよね。
それまでは、滝沢さんがややできない方、じゃない方扱いされていたんですよ。エピソードトークも全然できなくて、コンビのトークライブで滝沢さんの喋りがめちゃくちゃで笑いになる時間がよくありました。でもごみの仕事を大量にこなしたら、いつの間にかかなり喋れるようになったんですよね。
西堀さんは芸人として王道の才能というか、やっぱり喋りや語彙力がすごいじゃないですか。バンバンいじられてバンバン打ち返してる時のはまり方は他の誰にも負けないと思います。
でも、有吉さんのハワイの番組とかANNRというチャンスでうまくやれなくて…。ANNRはリアルタイムで聞いていてぶっ倒れるかと思ったし、ハワイの番組は楽しみに見始めて、途中で「あ、これ西堀さんずっと喋らないんだな」と察した時の気持ちが忘れられません。
だから、西堀さんも発明で評価されてトークのネタができたのがうれしかったです。
そこに始まったTHE SECONDで勝ち進んで、生放送で金属バット戦が始まったわけですよ。
あの漫才の後半で滝沢さんがぐっとアクセルを踏んで「ブス」を連呼して、それに西堀さんが返すまでのあの間と、出てきた「のびのびやりすぎだろ」というセリフと、そこで起きた笑いですよね。
あのやりとりがなかったら勝敗はどうなっていたかわからないし、準優勝もしていないかもしれないし、あれこそが「西堀さんが自信を持つまでの歴史」のターニングポイントだったんじゃないかと思っています。マシンガンズならではの、しかもM-1やTHE MANZAIの頃とも違う笑いの取り方を初戦で見せられたことで波に乗って行けたんだろうなあと。
滝沢さんは滝沢さんで、本当に特殊ですよね。
たとえばウエストランドの河本さんやランジャタイの伊藤さんのように片方のセリフが少ないコンビ(国崎さんもセリフが多いのかというとよくわからなくなってきますが)はいますが、滝沢さんはちゃんと半分くらいかそれ以上喋ってるのに、何言ってるかよくわからないし、めちゃくちゃ噛むんですよね。
でも、前回の記事に書いたように、マシンガンズらしさを出しているのは滝沢さんで、滝沢さんが爆発を生む時もあるんですよね。
16→8のランジャタイ戦は、先攻で出てきた時に滝沢さんが確か「ここまで全部先攻が勝ってるから俺らが勝てるわけないだろ!」みたいなことを言って、そこでもうドカンと来たんですよね。ただ、それもめちゃくちゃ噛んでて、「ここまで先攻…」ぐらいまでしか聞こえてなかった記憶があります。でもなんか雰囲気でドカンってなったんですよね。
同争会の時も、みんな知ってるネタをやるもんだからお客さんが「みんな知ってるネタだな…」と思ったところに滝沢さんが「飽きるな!」か何か一喝して、ドカンと爆発していました。そこからすごいゾーンに入っていったという。
賞レースの漫才って、セリフや間を磨いて完璧にして臨むものじゃないですか。それを「なんかよくわからないけど面白い」という状態にしている滝沢さんは本当に特殊です。それを受ける西堀さんも。
とはいえ、M-1の時はやっぱりセリフを一文字も間違えられないという状態だったらしいので、それが許容されるネタ尺の賞レースがいきなり始まったのは本当にラッキーでした。
マシンガンズが賞レースで評価されたことをいまだに毎日噛み締めて、「マシンガンズが賞レースで評価された!」とびっくりしているし、今もこう書いて改めてびっくりしています。
マシンガンズが賞レースで評価されたんですよ…こんなことあるんですねえ…。
あの日を境に「マシンガンズっぽい漫才」というものが認知されるようになったじゃないですか。ライブでも企画とかでマシンガンズっぽい漫才をやる芸人さんがいますし。
アドリブっぽく喋ってツッコむところは二人で手を挙げるという漫才が、完全に一つの型として認知されたんですよね。「二人で手を挙げる」だけだと他のコンビにもいるので、M-1の時と違ってアドリブっぽく喋るという要素が加わったことで、唯一無二の型として認められたんだと思います。それが許容されるネタ尺の賞レースが始まったことが本当に…(以下繰り返し)
「怒」の再編集版も出たし、西堀さんの本も出たし、新しい動きがどんどん出てくるのがいまだに信じられないです。こんなことあるんだなあ…と思いながら毎日出演を追っています。
単独ライブをやるという発言もあったし、楽しみなことばかりです。
(18:56)
2023年05月29日
マシンガンズがテレビでネタをやってSNSでこんなに好意的な意見が多くなることがなかったので、とてもうれしいです。
検索していると「顔ファンばっかり増えて」みたいに冷笑している人もいますが、THE SECONDの予選が盛り上がってくるまでツイッターでマシンガンズと検索したら何が出てきていたかを知っていたら、こんな言葉はとても出てこないと思います。
ネタ番組によく出ていた頃は「うるさいから嫌い」「悪口を言ってるから嫌い」ばかりで、その後は有名芸人さんがラジオで二人をいじるのと同じことをリスナーがそのまま書くので、聞いていない人が見ると単なる罵詈雑言に見えるものばかり…という状況でした。「清掃員と発明をやってお笑いを諦めた」みたいのもたくさん見ました。
だから好きになった人がたくさん増えたのなら、私が思うのは、もし何か期待や理想と違うと思うところがあっても、手のひらを返して叩かないでほしいということです。元の「どんなに悪く言ってもいい芸人」に戻るところはもう見たくないので…。
あとは芸人さんなので、一言一句あまり真面目に受け取るのもあまりやらないであげてほしいです。芸人さんの言うことは根本的に人を笑わせるために言う言葉だと思うので。
THE SECONDの予選を通して、そして決勝のあの4時間で、さらにこの一週間で、マシンガンズはどんどん成長している気がします。今日の野呂佳代さんのラジオでやりたいことをいろいろ話しているのを聞いて、こんな意欲的になるなんて…と感動しました。
SECONDの予選会は仕事で行けなかったのですが、終わったかなという時間にツイッターで検索してみると、「マシンガンズがイチウケ」がずらっと出てきたので何が起きたのかと思いました。
そこからずっとウケ続けて、全部で4回も対戦に勝って、最後の2組まで残ったんですよね。まさに快進撃でした。
SECONDの予選会は仕事で行けなかったのですが、終わったかなという時間にツイッターで検索してみると、「マシンガンズがイチウケ」がずらっと出てきたので何が起きたのかと思いました。
そこからずっとウケ続けて、全部で4回も対戦に勝って、最後の2組まで残ったんですよね。まさに快進撃でした。
私から見てご紹介したいものをまとめます。
追えていないものも忘れたものも多く、網羅もしていません。
感想は全て一ファンの意見です。
また、一年ごとに印象的な仕事を振り返っていた記事を再掲します。記事の最後にリンクを貼っておきます。
私のブログが非公開にした記事が多かったりツイッターに鍵をかけているのは、あまりにもマシンガンズについての記録が多すぎるため、何かあった時に自分にコントロールできない状態になることが考えられることも理由の一つです。
それでも非公開にする前に保存したと思われる画像や鍵アカウントでツイートしたものを転載している方もいて、やっぱりコントロールできない状態になったなあと思っています。元の画像も少しアップします。
〇ラジオ
ネガ⇒ポジ
ラジオ日本で放送していました。今はポッドキャストで聞けます。
〇YouTube
滝沢さんは「たきざわゴミ研究所」、西堀さんは「西堀ウォーカーチャンネル」をやっています。滝沢さんの方は更新が止まっています。
ウォーカーチャンネルは最初は散歩動画で、その後は主に太田プロの芸人さんを生き様を映すチャンネルです。マシンガンズの芸風は人生賛歌、人間の業の肯定だと思うのですが、まさにそれに沿った内容です。
コンビのYouTubeはネガ⇒ポジの過去回を少しアップしたきり止まっています。今日の野呂佳代さんのラジオでコンビでYouTubeをやりたいと言っていたので、何か動きがありますように。
〇ライブ
太田プロライブにたまに出るので太田プロのツイッターやHPを見てください。外部のライブにもたまに出ます。
準優勝を受けてライブ出演が増えるかはわかりません。ナイツのラジオショーで漫才協会に入ると言ったので、浅草東洋館に出るようになるかもしれません。
ちなみに「マシンガンズの出囃子は何なんだろう」というツイートを何度か見かけたのですが、太田プロライブでは芸人さんごとの固有の出囃子はありません。K-PROなど外部のライブでも、芸人さんごとに違った出囃子を流すところはあまりないはずです。おそらく音響スタッフが大変だからだと思います。
以前K-PROでネタ前にそれぞれの芸人さんが選んだ出囃子を流すというライブがあったのですが(それがライブの特徴になるほど、吉本以外のライブで出囃子は珍しいです)、マシンガンズが選んだ出囃子はガンズ・アンド・ローゼスの「Welcome to the Jungle」でした。「ガンズ」だから適当に決めたというようなことを言っていました。真面目に選ぶとしたら何の曲になるんでしょうね。
ちなみに「マシンガンズの出囃子は何なんだろう」というツイートを何度か見かけたのですが、太田プロライブでは芸人さんごとの固有の出囃子はありません。K-PROなど外部のライブでも、芸人さんごとに違った出囃子を流すところはあまりないはずです。おそらく音響スタッフが大変だからだと思います。
以前K-PROでネタ前にそれぞれの芸人さんが選んだ出囃子を流すというライブがあったのですが(それがライブの特徴になるほど、吉本以外のライブで出囃子は珍しいです)、マシンガンズが選んだ出囃子はガンズ・アンド・ローゼスの「Welcome to the Jungle」でした。「ガンズ」だから適当に決めたというようなことを言っていました。真面目に選ぶとしたら何の曲になるんでしょうね。
〇過去のライブ
しばしば話題になるのは漫才米騒動です。オードリーやナイツも出ていたライブ。くじ引きで出番順を決めて漫才をやって企画をやってという、最高に面白いライブでした。
参考記事 漫才米騒動ヒストリー
※こちらも支障のない範囲で再公開しました。
〇お笑いDVD
「怒」はアマプラでレンタル、購入もできます。
Amazonで検索するとネタ番組系のDVDも出てきます。
おすすめは「カフェ・ド・トリコ」です。磁石、ハマカーン、マシンガンズが出演するコントが3話収録されています。
今見たら数日前より中古価格が上がっていますね…。
〇テレビ出演
有吉ベースはFODで配信中です。
レッドカーペットもFODで見られるらしいです。
THE MANZAIの認定漫才師特番もあったけど、たぶんTHE SECONDの開催を受けて配信がなくなったんですよね。
特に存在を知ってほしいのは2013年にテレビ朝日で放送された「KAKOKU」です。
テラサを検索しても配信されていないようなので概要を書くと、マシンガンズはアップルパインと対決する形で二週間インドネシアにロケに行きました。
インドネシア語で書かれた文を解読してそこに書かれた指令を先に達成すれば勝利、タイムリミットは10日間…というルールで、バリ島→フローレス島→コモド島→ジャワ島→スラウェシ島のジャングルと移動して、バビルサを撮影して見事勝利しました。
現地の人ににこにこ話しかけてコミュニケーションを取ったり、動物園でカメと写真を撮った後に「ありがとう!」と二人でカメの頭を撫でたり。こんなに長くマシンガンズだけが映るバラエティがなかったので、新鮮だなあと思って見ていました。
帰ってきてライブに出演した二人は、日焼けしてたくましくなっていました。いろいろエピソードも話していて、西堀さんは虫は平気だけど滝沢さんは潔癖症気味だから大変だったとか。泊まる部屋にベッドが一つしかない時は西堀さんが床に寝てたんですが、そのせいかなと思ったり。
滝沢さんはゲテモノを食べられないので西堀さんが代わりに牛の脳みそを食べるチャレンジに挑み、なのに横で滝沢さんがえずいていたという話や、ずっと二人で寝泊まりしていたからコンビ仲がよくなって恋バナをしたりしたという話も。ケンカをする場面もあったのですが……なんというか芝居がかってたなあと今は思います。
帰ってきた後のライブの写真。今見るとマヂラブの村上さんがいる!ということにもびっくりします。
〇過去の賞レース
M-1ラストイヤーの後にファンになったのでリアルタイムでは見ていないのですが、2007年と2008年に準決勝に進出しています。
特に2008年は大井競馬場での敗者復活がウケていたと話題で、「M-1リターンズ」にも出演。今でいうM-1ツアーみたいなもので、NGKで行われた公演に出て、大阪の人から大爆笑を取りました。
THE MANZAIは2012年と2014年に認定漫才師に。しかし決勝にもワイルドカードにも進出できず。2014年の特番がしっかり目立てていてよかったです。
ちなみにYahoo!知恵袋のネタは2009年にはテレビやライブでやっていた記憶がありますが、THE MANZAIの予選では披露していません。
〇太田プロバスツアー
2013年と2014年の二回開催されました。
一回目は成田ゆめ牧場に行き、動物好きの滝沢さんは「俺はうさぎを触りに行く!」と断言して、うさぎのところに行く途中のふれあいコーナーでまずヤギや羊やモルモットを触り、芝滑りをしてからふれあいコーナーにたどり着き、うさぎを触っていました。そしてアヒルのレースで圧倒的な強さで一着になりました。
ヤギやうさぎを触る滝沢さん。
2014年は赤城高原に行きました。シャッフル漫才の企画で、西堀さんが和賀さんとMAXめんどくせえを披露。
〇芸人以外の活動
ゴミ清掃員としての活動は有名なので省くとして、滝沢さんは小説家としての一面もあります。小説投稿サイトで賞を取って書籍化されたホラー小説『かごめかごめ』はぜひ読んでほしいです。文学賞に応募していいところまで進んでいる作品がいくつかあるはずなので、それをまとめて出版されたりしないかなと思っています。
西堀さんはドラマや映画に出ています。「世界一難しい恋」ではメイン出演者として毎回出ていてびっくりしました。小池栄子さんや小瀧望さんと知り合ったのはこのドラマです。
二人で出たドラマに2014年の「闇金ウシジマくん」があります。西堀さんはブラボー二子玉川という役、滝沢さんは借金取りのチンピラ役でした。
昔の二人の写真として、制服みたいな格好で犬の首輪みたいのを着けて西堀さんはパチンコ台の前にいる写真が出回っていますが、あれは2004年の「パチンコ バトル・ロワイアル2」というVシネです。後からDVDを買ったのですが、バトロワのパロディで、二人は一応セリフもあります。
最後に、2009年から2014年の、その年を振り返る記事を再公開します。久々に見ると私も忘れていることがいろいろありました。
マシンガンズの歩みを少しでも知っていただけたら幸いです。
マシンガンズの2009年を振り返る
マシンガンズの歩みを少しでも知っていただけたら幸いです。
マシンガンズの2009年を振り返る
(23:02)
2023年05月22日
ノックアウトステージ32→16
×ガクテンソク257ーマシンガンズ266〇
ノックアウトステージ16→8
〇マシンガンズ289ーランジャタイ258×
グランプリファイナル一回戦
×金属バット269ーマシンガンズ271〇
準決勝
〇マシンガンズ284ー三四郎256×
決勝
×マシンガンズ246ーギャロップ276〇
いや決勝のマシンガンズの点数低っ!
マシンガンズのことでこんな長時間ドキドキしたのが初めてだったから、昨日番組が終わったあとは心臓が痛かったです。
ここまで勝ち続けたのはすごいことだし、マシンガンズの良さが全て出てました。
人気者を倒して倒してさらに強くなって、グランプリファイナルでは松本さんにはまってない感じでいじられることもネタにして、目に映るものすべてを全てをネタにして、決勝の決勝まで行けました。
あれが私の大好きなマシンガンズの姿です。最後の漫才、あれがマシンガンズの真骨頂です。
売れっ子芸人さんの中には、トークはすごく面白いのに漫才となるとなんだか縮こまってしまう人がいるじゃないですか。
マシンガンズはその反対で、「漫才」という枠を与えられた瞬間に、滝沢さんと西堀さんは誰よりも何よりも自由になるんです。くさい言い方ですが、それ以外に表現のしようがない。よく「大阪の人は二人で喋っているだけで漫才になる」なんて言いますが、本当にそれをやるんです。しかも大阪弁を使わずに。
そういう意味で、マシンガンズは生粋の漫才師だと思います。
最後の漫才、ネタ部分の言うことは台本があるわけじゃないですか。でもそれ以外は決まっていなくて、二人で呼吸を合わせて喋りながら、ネタ部分に入っていったりまたトークに戻ったり。つなぎ目は見えているけど、あのゾーンに入ると、どうやって制御してるのか、どういう方法論で笑いを取っているのかが見えなくなるんですよ。ファンの私でも。
しかもボケツッコミに分かれていない二人だから、相手がどういう性質のことを言って自分がどう反応すれば笑いになるのかの形に制限がなくて、全く先が見えないんですよね。でもなぜかそれが成立する、漫才になる。二人が手を挙げてツッコミを入れるところではなく、それこそがマシンガンズの真骨頂だと思います。
特に、滝沢さんの存在がマシンガンズという漫才師の特異点だと思うんです。西堀さんはストレートに天才と言われてきた人で、器用でトークでぼやいたり落としたりするのもうまくて実力の形がすごく見えやすいけど、滝沢さんって不器用な人だから声の抑揚もあんまりつかなくて、「ズガガガガガ」みたいに喋ってるじゃないですか。詰まったり噛んだりして全然何も言えてない時もありますし(ここから褒めるのでご容赦ください)。
でも滝沢さんが本当に勢いづいた時って、どんなすごい漫才師でも起こせない爆発が起きるんですよね。舞台袖、MC席、ライブの時には壁に空いてる穴にまでいきなり何か言って、ドンッと笑いが起きる。今回の決勝戦の漫才みたいに「全てをかけて笑わせる」が本当になる。言葉に嘘がないんですよね。それは芸人として、漫才師として稀有な才能なのかもしれません。
で、それに西堀さんが硬軟自在の反応をすることでライブ感が生まれて、笑いが渦みたいになっていく。滝沢さんのああいうのに反応できるのは本当に西堀さんだけだと思います。
しかしガクテンソクに勝ちランジャタイに勝ったところでお笑いシーンにマシンガンズ旋風が吹き荒れましたね。
私が観覧した4月30日の、伝説の先攻2点7人のあの瞬間から、あれよあれよとここまで来ました。
金属バットに勝てるかが一番不安だったので、そこが緊張のピークだったんですが、その後もなんだかんだ緊張していたようで、昨日は心臓が痛かったです。
伝説の先攻2点7人のあの瞬間から、マシンガンズは主人公みたい、優勝してほしいという声がSNSに溢れました。
それだけでもすごい経験です。文字通り、天地がひっくり返ったみたいに、地の底にいたと思ったら次の瞬間にはそこがてっぺんになっていた感じ。「面白い」だけじゃなくて、好き、勝ってほしいという大勢の気持ちが一気に見えるようになったという。
組み合わせ抽選も好評で、西堀さんの「趣旨に!」が話題になって。
マシンガンズは逆境に強いタイプだから、優勝候補とまで言われ始めて、私は内心「そこまで言わないで!」と思っていました。
でも始まってみたら、金属バット戦こそ薄氷の勝利だったものの、松本さんに名前を間違えられたこととか、SNSの書き込みとか、その日の出来事すら取り込んで漫才にして、お疲れちゃんもヤーもやって、怒って笑って飛び跳ねて、二人の魅力をこれでもかと振りまいたと思います。
(ちなみに滝沢さんは器械体操、西堀さんはバレーボールをやっていたので、跳躍が得意なコンビなのかもしれません)
3本目の漫才、台本は提出しているわけで、ネタがないというのは何割かは事実で何割かは戦術だったと個人的には思っていますが、あそこまでの状態になることを本人たちが狙ってやっていたのかはわかりません。
マシンガンズの漫才があそこまでの状態になることはたまにあって、はっきりわかるところだとDVD「怒」の最後のネタがそうだと思います。あのDVDは(イルカのDVDではありません)収録ライブをやって漫才を6本ぶっ続けで披露しています。
若い頃とはいえそんなに続けてやれる芸風ではないので、6本目は目に見えて二人ともボロボロなんですが、それがめちゃくちゃ面白いんですよ。破れかぶれに叫んで叫んで、全てに向けた銃口が結局は自分たちに返ってくる。バカだのなんだのたくさん言ってきたけど結局俺らは何なんだというような叫びの漫才です。
他にもライブでとんでもないゾーンに入ったところは見てきたと思うんですが、やっぱり追い詰められる状況でないとなかなかそうはならないはずですよね。それがまさか、テレビの賞レースの決勝の決勝で見られるとは思いませんでした。
あれがマシンガンズの一番すごいところです。センスのある芸人さんも技術のある芸人さんもたくさんいるけど、あんな笑いの取り方をするコンビは他にいません。
133組がエントリーして、そのうち予選から決勝戦まで6回もネタをやることができたのは、ギャロップとマシンガンズだけです。
そしてマシンガンズは、ノックアウトステージ以降の5戦中、ポットAと4回当たって3回勝っています。勝った3回のうち2回は先攻での勝利です。ポットAの8組のうち半分と当たったんですね。この先大会が続いたとして、ポットAを3回倒す組は現れるのでしょうか。
並みいる強敵をぶち破って勝ち上がり、そのたびに強くなる姿のかっこよさときたら、それは確かに主人公のものでしょう。予選が進む間にマシンガンズがみるみるかっこよく見えてきたのは、きっと私のひいき目だけではないと思います。
そもそも一時期に比べてマシンガンズの外見はどんどんよくなっていたんですが、特に最近はとてもいい年のとり方をしていますよね。その中でも予選を通してまたさらにかっこよくなっていくのは圧巻としか言いようがなかったです。
(参考記事 「顔」で見るマシンガンズという漫才師)
そもそも一時期に比べてマシンガンズの外見はどんどんよくなっていたんですが、特に最近はとてもいい年のとり方をしていますよね。その中でも予選を通してまたさらにかっこよくなっていくのは圧巻としか言いようがなかったです。
(参考記事 「顔」で見るマシンガンズという漫才師)
おそらく松本さんのコメントを受けて来年からの審査は何でもあり感が薄れると思うので、マシンガンズみたいな戦い方、勝ち方をする漫才師が出てくる可能性はほぼないと思います。
初回かつ無観客という超荒れ場だったお笑い成人式で優勝したように、マシンガンズはまだ固まっていない足場の上で戦うことが得意なのかもしれません。マシンガンズがこんな強敵たちを向こうに回して戦えたということが、とても誇らしいです。
3本も漫才をするルールだから、マシンガンズの魅力が全部出ました。そしてたった1組の相手を倒せばいいタイマンバトルだから、お笑いファンによる工夫された審査だから、ここまで勝ち上がることができました。6分もネタ尺があるから、「ネタがない!」と叫んであの手この手を繰り出す二人の姿が見られました。
いろんな全てが合わさって、惑星直列並みの奇跡で、最後の芸術みたいな漫才がテレビで放送されました。むしろ行きすぎて漫才を通り越してしまった感すらありました。
でもそれはただの奇跡ではなくて、奇跡をつかみ取る努力を怠らなかった二人の勲章だと思います。
マシンガンズがこの大会に関してよく話していた「久々にテレビで漫才をやったらうまくいかなかったから、反省して月一度は集まって漫才をやるようにした」というのは、たぶん2021年5月のENGEIグランドスラムマチネだと思います。いぶし銀枠みたいなコーナーでおしみんまるさんと一緒に紹介されて、すごく楽しみにしていたけど、爆笑とはなかなか言えない出来だったのを覚えています。
(※2024年3月5日追記 マシンガンズの単独ライブのパンフレットにアンタウォッチマンの収録でうまくやれなかったという話が書いてあったので、そちらの番組の可能性があります。セカンド前に呼ばれた時の番組名はお笑い実力刃でした)
(※2024年3月5日追記 マシンガンズの単独ライブのパンフレットにアンタウォッチマンの収録でうまくやれなかったという話が書いてあったので、そちらの番組の可能性があります。セカンド前に呼ばれた時の番組名はお笑い実力刃でした)
それで月一回はライブに出るようにしたことでこの結果が…いや月一回って、吉本の芸人さんからしたら全然少ないんですが。
でも、非吉本の芸人さんで20年選手とかだと、コンスタントに出られるライブが全然ないんですよね。集客できるのは若手芸人ですから。だからみんな漫才協会に入るんだと思います。
THE SECONDの開催やマシンガンズのこの快進撃を機に、非吉本のベテランが立てる舞台ができないかなと思う次第です。
でも今思うと、その出演がなければ絶対この結果にはならなかったわけで、「心の中では芸人をやめている」なんて言いながらもテレビ出演の出来を反省してちゃんと漫才師であり続けようとした二人に、神様がチャンスをくれたのかなと思いました。
ただ、マシンガンズの最近の漫才を見たことがある人ならわかると思いますが、およそ心の中で芸人をやめている人の喋りや勢いではない、ゴリゴリの漫才です。
あとはもちろん、マシンガンズがもともとものすごく面白い漫才師だからというのもあります。
ライブのトークで、いろんな芸人さんがマシンガンズを褒めているところを見てきました。客ウケ抜群の漫才師が、ロジカルなネタを量産する漫才師が、類い稀なセンスのある漫才師が、口を揃えるように「マシンガンズさんは面白い」「かっこいい」「憧れる」「本当はああなりたい」と言うんです。
東京の芸人さんが憧れる、ちょっとアウトローでふらっとセンターマイクの前に立ってアドリブみたいなやりとりで爆笑を起こして、自分たちもゲラゲラ笑っている。そんな姿を体現する漫才師であるマシンガンズが売れないなんておかしいですよ、絶対に。
全部勝つことはできなかったけれど、ツイッターを見ているとファンになった、かっこいい、面白いという人がたくさんいるようで、それが一番うれしいです。漫才でマシンガンズの魅力が広く伝わるって、理想的じゃないですか。
二人とも本当にいい人で、滝沢さんはお笑いに熱い努力家で、西堀さんは天才型の伊達男です。ファンから見て、ちゃんとお互いのいいところを尊敬していて、お互いの足りないところを補おうとしている、いいコンビです。
漫才はもちろん、ラジオもめちゃくちゃ面白いです。ポッドキャストで「ネガポジ」で検索すると見つかります。マシンガンズという名前がタイトルに入っていないので要注意です。
アマプラでもマシンガンズで検索すると「怒」から抜き出して収録しているDVDが少し出てきます。「怒」もアマプラでレンタルまたは購入できます。
あとは私のブログについて。
マシンガンズが決勝に行ったことでこのブログを久々に読んでくださる方もいて、昔の記事がほぼなくなっていることを残念だと言われることもあるんですが、記事を再公開することはないです。
まず、テレビやライブやネタの内容をそのまま書くことが特にマナー違反とされていない時代に書いたものであることが一つ。あとは、テレビなどの感想でも芸人さんを呼び捨てにして書いていて、とても手直しができない分量であることがもう一つ。
どちらも気にしない人はしないと思うのですが、私としてはこれをネット上に自分が上げることはちょっとできないというところです。
今は芸人さんが直で見てリアクションをしてくることもありうる世の中なので、そこをうまくやっていく自信は私にはないです。
呼び捨てが自分的には一番きついかもしれません。今見ると本当に何様なんだと思います。
皆さんも公開されているSNS上で芸能人のことを書く時には、とりあえず呼び捨てにしないことだけでも心がけると、エゴサする本人やたまたま目に入った関係者などが受けるダメージが少なくなるかもしれません。
それにしても、すごい大会だったしすごい決勝でしたね。こんなに芸人ファーストで余分なものがなくて芸人さんをメインにかっこよく取り上げてくれていいの?と思いました。オープニングやネタ前の画像はマシンガンズ史上一番かっこよかったし、煽りVTRもプライベートの苦労とかなしで、ただただ漫才師として扱ってもらえているのがうれしかったです。ずっとああいうかっこいいオープニングとか煽りVTRに出るマシンガンズが見たかったんですが、期待以上のものが見られました。
というか、事前番組から8組全員すごくかっこよく取り上げてもらえましたよね。本番も、「バラ色の日々」が流れるVTRの最後で8組が紹介された時に、今日の主役はこの人たちなんだ!と伝わってきました。
開催発表当時は、「M-1を卒業しても芸人が戦い続けないといけなくなる」という批判もありましたが、予選が進んでいくにつれ、お笑いファンだけでなく出場していない芸人さんたちも大いに盛り上がりました。それはおそらく、芸人さんも誰かを応援できるからじゃないかと思います。
金属バット、マシンガンズ、スピードワゴン、三四郎、ギャロップ、テンダラー、超新塾、囲碁将棋。
日本のお笑い芸人さんならみんな、この8組の誰かと近いコミュニティにいたり、境遇が似ていたり、自分を投影して自分の代表のように応援できるんじゃないかと思います。そのぐらい、芸風、年代、出身地、所属事務所と、幅広い漫才師が見事に揃っていました。
面白い芸人はかっこいい、そして長く続けていたらまた別の面白さとかっこよさが出てくる。出場していない芸人さんたちが熱く語るのを見るのもまた楽しかったです。
そしてあの審査システムですよ。あれは発明だと思います。ベテラン漫才師の賞レースとして、タイマンバトルという形式と観客審査のあのシステムが出てきたのはちょっとお笑い史上に残る出来事だと思います。
こんなにいいものが見られるのはお笑いブームが成熟しているからだと思います。
ノックアウトステージからいろんな感情が渦巻いてとても休まらなかったのですが、すごい4時間の生放送でした。こんな経験ができると思いませんでした。そりゃ心臓も痛くなりますよ。
芸人さん、スタッフの皆さん、ファンの皆さん、お疲れさまでした!
(00:41)
2023年05月01日
マシンガンズ、決勝進出!
マシンガンズが決勝進出ですよ、皆さん。
2009年2月にブログを始めて、7月ごろからマシンガンズ面白いよと言い始めて、JAL名人会で信じられないぐらいウケてるマシンガンズを見て、そこからはや14年。14年!
ノックアウトステージに進む32組に見事選ばれ、超実力派のガクテンソクを破り、今回は16組からグランプリファイナルに進む8組が決まります。マシンガンズは予選会上位のポットAで上がってきたランジャタイとの対戦。
4月30日の観覧に当たったので行ってきました。審査もしています。
審査のことは体験した人たちがSNSなどに書いていますが、芸人さんの人生がかかっているのでちゃんと審査をするよう、そしてコメントを求めるので自分の言葉で説明できる採点をするよう、とても真摯な説明がありました。
本当に8組とも面白い、超ハイレベルな戦いでした。
前日も含めそれまで全部後攻が勝っているので、すごく不安な気持ちでマシンガンズの出番を迎えたのですが、勢いよく出てきたマシンガンズが、先攻なことを逆手に取った入りからもうずっとドッカンドッカンとウケていて…。審査の時間が始まってもまだ笑いが残っていました。
これなら戦えるかな、でも点がつきにくい漫才だからな、しかも相手は人気者のランジャタイだからな…と思って、実際後攻のランジャタイもちゃんとウケて、結果発表へ。
マシンガンズの得点、1点2人。そして2点が7人。
ここで会場がすごい空気になったんですよ。興奮、どよめき、ざわめき。今からとんでもない点が出るぞ、しかも先攻でという興奮。
そして3点が91人で、合計289点!先攻で!
興奮のるつぼの中で、なぜか抱き合う西堀さんと国崎さんw
私は2点が7人の時点で時間が止まったみたいに感じて、いやでもそんな、これならランジャタイがもっとすごい点になるんじゃないの?と思って、ぽかんとしていました。
そしてランジャタイの得点。1点が8人。
この時点でもう決まりじゃないですか。残り92人が3点でもマシンガンズの方が上なんですから。
で、ランジャタイは258点。まさかまさかの大差でマシンガンズが決勝進出!
そこから腸のことがいろいろあってすごく笑ったんですが、それでも何が起きたのか全然わからなくてただ笑っていました。
後で調べたら「腸を喉に詰まらせた新沼謙治」とか言っていたらしいんですが、何も耳に入っていませんでした。国崎さんが客席に投げ込んだ腸の放物線だけ覚えてます。
マシンガンズが決勝進出ですよ。漫才の賞レースの。漫才の賞レースの!!!
マシンガンズが賞レースで評価されてほしいとずっと思っていたのに、今もまだそんなに実感がわきません。
M-1ラストイヤーの後にファンになったので、THE MANZAIは2011年に二回戦でトップクラスにウケてたのに認定漫才師になれず、2012年は認定漫才師になったけどサーキットがいまいちで、2013年はまた認定されなくて、2014年はやっとサーキットでちゃんとウケた感じで。
今回のTHE SECONDで、「マシンガンズは評価されにくい芸風だし」とか「売れっ子が相手だし」とか「先攻は勝ちにくいし」とか、いろんな理由をつけて、負ける予防線を張っていた自分に気がつきました。だからきっと実感がわかないのかなと。
でもマシンガンズはそういうことを全部全部ネタにして、爆発的に笑いを取って、全てをひっくり返して決勝を勝ち取りました。
すごいなあ。すごかったです、本当に。
審査形式についてはいろいろ言われていますが、かなり公平性を考えて作られたルールだと思います。
審査員は予選会を見た人や応募してきたお笑いファンで、持ち点は一人3点。一組ずつのネタを見た後に採点。相対評価ではなく絶対評価でつけるようにも言われています。こうしないともっと後攻有利になっているはずです。
また、コメントを求められる可能性があるというのは非常に大きな抑止力です。よほどのやばい人でない限り、好き嫌いで1点と3点をつけることはなくなります。
(ちなみにマシンガンズ3点、ランジャタイ1点の人がコメントを求められていましたが、あれは私ではありませんし私がつけた点数も違います)
なんとなく2点をつけるということもなくなります。ネタを見て笑いながらも、自分の感覚で判断していく。それがすごく貴重な経験になりました。
何点をつけるのかはネタを見ながら固まっていくので、お客さんの採点が早かったのはおそらくそれが理由です。
私はコメントを求められることはなかったのですが、一応全組考えながら見ていました。でもあの場で実際に話すのはとても大変だと思います。
ちなみに前方100人が審査をする観客で、後方には審査をしない観客(お笑いファンと一般の観覧客)が混じって座っていました。
マシンガンズのネタの時、その後方から絶えずうねるみたいな笑い声が聞こえてきて、びっくりしたんですよね。どうもお笑いファンでない層にもめちゃくちゃウケてるという。
ネタの終盤、ウケすぎてセリフが全然聞こえない箇所がありました。そして6分経ったから帰っていくマシンガンズ。
289点の時のどよめきと興奮は、たぶんずっと忘れないと思います。芸人審査時代のキングオブコントで東京03の高得点が出た時とか、こういう雰囲気だったんだろうなと思います。自分たちの意志が集合してこうなったという興奮は、お笑いファンの集まった審査ならではでした。
お笑いブームが結構長く続いて、賞レースも過熱して、審査員が審査をされるような状態になっているじゃないですか。
それなら今度はあなたたちの番です、と言われたような気がします。ベテラン同士が火花を散らす何でもありの漫才バトルの審査を、お笑いファンに託してもらったような気がしました。何でもありをどう点数にするか、あなたのお笑い経験で判断してくださいと。その上で、スタッフの皆さんはできるだけ公平なルールを作ったと思います。
観覧に行くと、いい大会にしたいんだというスタッフの皆さんの気持ちが伝わってきました。たぶんボタンを持って審査していた人たちは、私も含めて、とても厳粛な気持ちで審査をしていました。
マシンガンズ、本当にすごかったです。でもマシンガンズはいつだってこんなに面白かったんだよ!ということを声を大にして言いたいんです。
正直、「お笑いのブログやってるくせに一番好きな芸人がマシンガンズって(笑)」みたいに言われることはあるのですが、どれだけたくさんお笑いを見ても、一番面白い漫才師はマシンガンズだと思うからファンなんです。
M-1の準決勝を見ても、決勝を見ても、「やっぱりマシンガンズが好きだな」と思います。そしてそれは今回も同じでした。ただ、点数になってついてきたのが本当に素晴らしかったです。
マシンガンズが決勝に行ける大会があるんですね。こうやって書いていてもまだ実感がわきません。
あとはもう、悔いのない漫才ができるように祈るだけです。
5/3 書ききれなかったことが多いので以下追記です。
5/3 書ききれなかったことが多いので以下追記です。
観覧について。
応募フォームに「好きなネタ番組は?」などの質問がいろいろあり、その中に好きなお笑い芸人を3組書く欄があったのですが、これを書くのにしばらく悩みました。
誰のファンでもない人が選ばれやすいのか、それとも各出場者のファンだとはっきり書いた人を平等な人数入れるのか。
考えてもよくわからなくなるので、どうせ外れて後悔するなら正直に書いて後悔した方がいいと思って、マシンガンズを含めて書きました。残りの2組はTHE SECONDに出場していないコンビを書いています。
そもそも応募の時点で29日と30日のどちらに誰が出るかわかっていなくて、30日しか行けないのでそちらに応募しました。そうしたら30日がマシンガンズが出る方だったので、それもラッキーでした。
対戦について。
後攻有利というのはどうしても言われていますが、ポットAのルールで予選会でウケた組にアドバンテージを与えるのは当然だと思います。そうすることで有力どころ同士が序盤で当たらなくなりますし、「めちゃくちゃくじ運の悪い人」を出さない仕組みでもあると思います。
32→16でポットAと当たるところは大変だけど、勝ちさえすれば次の対戦で後攻を取れる。そしてポットAと当たらなくて済んだ組は16→8で先攻になるという点も、よくできていると思います。
また、採点は相対評価でなく絶対評価でと言われてはいるものの、2組のバトルという形式である以上、後攻は「先攻と比べてどうか」という目で見られる部分が確実にあると思います。先攻は「前の組の後攻と比べてどうか」とは見られないですからね。
で、今回のマシンガンズvsランジャタイの対戦です。
マシンガンズが大爆発して、次に出てくるのはランジャタイです。後攻で、ポットAで、M-1ファイナリストのいまや人気者。
国崎さんのテンションが出てきた瞬間から高いし、始まったネタはバスケ。バスケットボールゴリラ漫画ゴリラじゃない方のバスケの、いわゆるデロリアンのネタで、2021年の準決勝でランジャタイがバカウケして決勝進出を決めたネタです。
たぶん客席前方のお笑いファンは半分以上が見たことのあるネタで、「お、これを出してきたということは本気だな」と思ったはずです。ランジャタイでどう笑うかを知っているお客さんばかりなので、笑いどころでもちゃんと大きく笑いが起きていました。
ただ、いい時のランジャタイと明らかに違った気がします。国崎さんが普段以上の熱演なのは伝わったんですが、焦ってたのかなあ…。
錦鯉がM-1で優勝した時に、最終決戦で錦鯉の後に出てきたオズワルドが「君らは猿出さないの?」という目で見られた気がしたと言っていましたが、まさにあの感じがしました。笑いは起きているんだけど、無意識に客席が「もっとないの?」と促しているようなあの感じ。
マシンガンズが爆発して、あれを超えないといけないとなると、後攻のポットA、勝って当然という立場が一気にプレッシャーになったのかもしれません。
これが対決形式、ポットAルールの恐ろしいところで、それを浴びてしまったのがまさかのランジャタイだったんだと思います。
苦労人のマシンガンズが人気者のランジャタイを倒したみたいになっていますが、ランジャタイだってつい最近までは立派な苦労人です。私もオフィス北野のライブに出てた時から何十回もランジャタイを地下ライブで見ていますし。
さらにお笑いファンの審査となると、ランジャタイはお笑いファンウケがすごくいいじゃないですか。津田さんのゴイゴイミュージカル(通称ゴイミュ)でセンスも改めて見せつけたし。なので対決の時、私の頭の片隅にはずっと津田さんの「今日も元気にゴイゴイスーで行きましょう」が流れていました。ランジャタイのすごさの象徴として。
ようやく売れて評価もされるようになった今有数に勢いのあるランジャタイが、マシンガンズが先攻で爆発した6分が終わった瞬間、一転して失うもののある、守る側になってしまった。それが対決という形ならではの予測不能のドラマだなあと思いました。ランジャタイが守る側になることなんて、もう一生ないかもしれないです。
審査について。
ただでさえ1点はつけにくいですが、誰かのファンである立場だと、ますます3点と1点をつけることはできません。だって100分の1でコメントを振られる可能性があるんですから。
もし私がマシンガンズに3点、ランジャタイに1点をつけてコメントを振られたら、そしてそのコメントのどこかでファンだとばれてしまったら、マシンガンズの痛いファンが紛れ込んで偏った審査をしたと思われてしまいます。
自分がたったの2点差をつけることとマシンガンズに迷惑をかけるリスクを負うことのつり合いが全く取れないので、そんな審査はできません。
もちろんそこまで考えない人ならそういう審査は躊躇なくすると思うので、だから一応好きな芸人さんを書かせて、人数のバランスは取っているんじゃないかなと思います。
(※これについては決勝の観覧募集が終わっているので書きました)
とにかく「もし勝っちゃったら泣いちゃって、コメント振られた時にまともに喋れないんじゃないか」というのが不安だったんですが、2点7人の瞬間からずっとぽかんとするだけで、ワーもキャーも全く出ませんでした。マシンガンズの合計点数とかランジャタイの合計点数にピークが来るかと思っていたら、もっと手前で予想以上の衝撃が来てしまったので。
もちろん涙も出なかったし、今日この瞬間までまだ泣いていません。
あと、ランジャタイの1点が多かったのは、マシンガンズに2点をつけた人なのではと思っています。ランジャタイがもっとすごい可能性があると思ってマシンガンズを2点にしておいたけど、ランジャタイを見て、これは差をつけた方がいいと思ってそうしたんじゃないかなと。
絶対評価でつけるようには言われていますが、人間の心理なのでそういう比較が生じる部分はあると思います。
たとえば先攻が十分面白かったら気持ちよく3点をつけて、それに比べて後攻が明確にいまいちだったら2点にしたり、後攻も十分面白かったらそれも3点にしてあとは他の人の好みに委ねたり…という感じです。だからある意味、後攻はハードルが設定された状態で始まっていると思います。
ネタ時間6分のうちにそういう印象がめまぐるしく変わっていって、100人分の印象や好みが集まって、結果としてすごく妥当な点数が出ていると感じました。タイムマシーン3号vs金属バットと三日月マンハッタンvsテンダラーの僅差なんて、伯仲した対決の印象がちゃんと点差に表れていました。
キングオブコントの芸人審査を思い出して楽しかったです。始まった時はいろいろ言われていましたが、すごくよくできた形式だと思うので、他の大会などでも似た審査が導入されるかもしれません。
ただこれは、十分にお笑いへの知識と愛情を持っている人を集めることが前提の審査ではあると思いますし、東京でやっている以上東京の芸人さんが有利という点は残ります。
ちなみに私の場合は賞レースの予選を見ながら100点満点で考えることが習慣になっているので、100点満点換算で93点以上だと思った場合は3点、92点未満の場合は2点という考え方でやっていました。
1点はつけなかったのですが、点数で言うと84点未満ぐらいかなと思います。私の中ではちゃんとウケていて面白かった時の点数が93点です。
グランプリファイナルはどうなるんでしょうね。16→8の時点でネタのレベルは非常に高かったので、次はいよいよ実力が横並びだと思います。
その上でトーナメント形式となると、優勝者はきっと3本目のネタが始まる時点で、ものすごく客席の心をつかんでいると思います。3本ネタをやっても飽きられないどころか、「待ってました!」になっている組が優勝するのかもしれません。
ここからはますますどう転がるかわからないのでとにかく楽しみです。マシンガンズが勝ち進んだことを抜きにしても、こんなに面白い賞レースになるとは思いませんでした。
(22:28)
2016年04月24日
芸人さんがどんなにストイックに芸を磨いたところで、また我々のような痛いファンがどんなに机上のお笑い論をこねくり回したところで、お笑い芸人さんにとって重要なのは最終的には「顔」だと思うんですよ。
いや、「最終的に」というのは正確ではなく、もっと言ってしまうと、その芸人さんが売れるかどうかは、顔次第で最初から決まってしまっている可能性だってあるのではないでしょうか。
極論の極論を言えば、ダウンタウンだって、二目と見られないような顔をしていたらここまでは売れなかった可能性もあると思うのです。お笑いの能力では日本お笑い史上トップレベルにあるダウンタウンだって、です。
何をきっかけにそう思ったかというと、今月初めに放送された「ゴッドタン」を見たからです。
「悩める中堅芸人」みたいなくくりでマシンガンズとブラックパイナーSOSが出た回で、マシンガンズがあのゴッドタンに出るとわかってからは、そりゃもう楽しみな気持ちと不安な気持ちが入り混じった状態でオンエアを迎えたのですが。
放送を見てびっくりしたのは、マシンガンズのトークがまともに面白かったことももちろんですが、「売れないまま年を取ってしまった芸人」というくくりで出た割には、二人が全然みすぼらしく見えなかったことでした。
みすぼらしく見えちゃうと、話していることの内容に関わらず、「こんな人たちなんだから売れなくて当然だ」と無意識のうちに思ってしまうんですね。
見た目に対する印象と、面白さに対する印象というのは直結するんです。
そういう風には見えなかったから、「えー、マシンガンズ、こんなに面白いんだから売れてほしいなあ」と思ってもらえたんだと思います(事実、感想を調べるとそういう意見の人がほとんどでした)。
みすぼらしく見えるかどうかというのは、結局「顔」にかかってきます。
私はかれこれ2009年頃からマシンガンズを見るためにライブに通っているのですが(!)、ちょくちょく保存してきたり撮ってきたりした二人の画像を見ると、結構な変遷があるんですね。
私が思うに、二人の見た目がどん底だったのはこの時です。
2013年のお正月、ショッピングモールでの営業にて。
いや、なんかこう。
西堀さんのほっぺたの圧倒的なボリューム感。あと髭。
あと滝沢さんがなんか貧相。
2013年1月のマシンガンズは、いかにも「エンタやレッドカーペットのブームが終わって衰えてます」という風に見えます。
この状態でゴッドタンに出ていたら、同じトークをしても「そりゃ売れないよ」と思われそうです。外見がみすぼらしいと、お笑いの能力も衰えているように見えてしまうんですね。
2012年のマシンガンズの仕事内容は、主にライブとネット番組。THE MANZAIでは初めて認定漫才師に選ばれたものの、サーキットではそんなにウケずに敗退しています。
この時サーキットを見ていて私が思ったのは、「見た目が悪すぎてお笑いから『降りてる』ように思える」ということでした。
もう西堀さんが太り過ぎてたんですよ。このあたりのライブで撮った写真を見たら、太り過ぎて乳首がYシャツに透けてるんです。髭も生やしてたし。
滝沢さんもお酒でむくんでて、二人とも何とも愛嬌がなく見えてたんですね。
マシンガンズって、賞レースの場だとそこそこ知られてる部類に入るじゃないですか。
見に来たお客さんはだいたいみんな顔も芸風も知ってる、M-1には出られないくらいのベテランだけど、THE MANZAIだとどんな漫才を見せてくれるんだろう……と思ってるところに出てきた二人が自分の記憶にある外見よりも劣化していたら、どう思うかという話なんですよ。
間違いなく、「あ、この人たちはもう終わった人たちなんだ」って思っちゃうんですね。
お笑いの一線級にいない、売れる芸人の順番待ちの列に並んでいない、対象外の漫才師。
久しぶりにマシンガンズを見た人たちの目には、そう見えていたんじゃないかと思います。
で、2013年のお正月が底打ちになったかのように、二人の外見はまともになっていきます。滝沢さんは黒髪に戻してごみ収集のバイトで痩せて、西堀さんも髭を剃って明らかにすっきりした外見になっていきます。
2013年のマシンガンズの仕事といえば、「KAKOKU」のロケで二週間インドネシアへ。滝沢さんの小説が賞を取って、西堀さんのオールナイトニッポンRが放送。
西堀さんのANNRがどんな結果に終わったかはさて置いて(生で聞いていた私はショックのあまり翌日過呼吸でぶっ倒れました)、2012年とは比べ物にならないぐらい、世間から「見える」ところで活動しています。
2014年には、ラジオ日本で「激闘!麻布台スタジアム」の放送が始まりました。これは後に「60TRY部」になって、深夜には「ネガ⇒ポジ」もスタートします。
2014年にもTHE MANZAIの認定漫才師になっています。
その時の事前番組の様子がこちら。
滝沢さんが痩せたのと、西堀さんが髭がなくなってすっきりしたのとで、愛嬌がありますね。
この時は西堀さんがやらかした(「年収順でネタを披露する」という趣旨をMCが発表するより先に言ってしまった)のもあって、見ている人からも「マシンガンズかわいい」みたいな反応が多かったです。
2015年には、「マサカメTV」「仮説コレクターZ」と、NHKの番組で多くレポーターを務めるようになりました。西堀さんは有吉さんと一緒にハワイに行ったり。
この2014年、2015年で、二人の外見はさらに見やすくなっていきます。根本的な顔の造りは変わらないので、この「見やすくなる」というのがすごく大事なことだと思うんですね。
2015年の夏、秋田の営業にて。
どうです、2013年と全然違うでしょう。
小ぎれいで愛嬌があって、いかにも次に売れる芸人の順番待ちの列に並んでる感じがします。しかもちゃんと前の方に。
この、「次に売れる芸人の順番待ちの列に並んでいそうに見える外見」というのは本当に大きいと思うんですよ。
「ちょっと機会がなくて売れてないだけで、チャンスさえあればいつでもテレビには出られますよ、一線級の能力があるんですよ」という印象を与えることができるんですね。
みんなの記憶にあるマシンガンズのイメージよりも外見が劣化してしまっていたら、とてもそういう風には見えなくて、「エンタやレッドカーペットのブームも終わって、もう面白くなくなっちゃったんだね」と思われてしまう。それは致命的なことだと思うんです。
もちろん芸人さんはライブに出ている人たちであってもみんな見た目に気を遣っていますが、テレビを通した視聴者のこういう無意識の選別は、芸人さんたちやライブで見ているファンの人たちが思っている以上にはっきりとした残酷なものなんだと思います。
特にライブという場はまた特殊なフィルターがかかるもので、ライブで見ている芸人さんをテレビで見ると印象が全然違うということも多いです。
あとはまあ、その時の仕事の調子とかが外見に出るというのもありますよね。
外見が調子を作るのか、調子が外見を作るのか。
ニワトリと卵みたいな関係ですが、どちらにしても芸人さんと「顔」は切っても切り離せないものだと思います。
今年は西堀さんがドラマ「世界一難しい恋」に抜擢されたという大ニュースがありますが、2013年の外見だったらとてもキャスティングされなかったんじゃないかと思っています。勝手に。
西堀さんの演技、すごくいいですよね。演技というか、西堀さんの魅力がそのまま出た役柄でひたすらびっくりしています。
こういう大抜擢に対しては、売れない芸人さんのファンをやっていると「辞めなきゃいいことあるよね」という感想で終わりがちなんですが、辞めないだけじゃなくて、ちゃんと外見に気を遣うとか、一線級でいられるような努力をし続けるとか、そうやって引き寄せるものでもあるんだろうなと思います。
ゴッドタンの出演が今のこの時期になったというのも、この上ないタイミングだったと思います。
まあマシンガンズが面白くて好きだと思っているのはずっと変わらないんですが、後から見ると結構外見の浮き沈みというのはあるものなんですね。今の二人は本当にどこに出しても恥ずかしくないですもの。
30歳とか35歳を過ぎてアラフォーになっても垢抜けることは余裕で可能だし、人間自分の外見に気を遣うことを諦めちゃいけないんだなということです。
自分が好きになった芸人さんが好きになってからずっと下り坂だったら、それはそれは悲しいものです。事実私も、2013年まではそう思っていました。「私が好きになってからずっと仕事減ってるな、私は疫病神なのかな」って。
でも、ちゃんと外見を良くして、一度仕事が減ったところからちゃんと盛り返してきて、本当にファン孝行なコンビだなと思います。
本人たちはそんなつもりでやってるわけではないんでしょうけれど、応援してきてよかったな、やっぱりこの二人は最高だなと思っている今日この頃です。
(01:34)