2024年12月25日
今年は審査員の変更があり、アンタッチャブル柴田さん、オードリー若林さん、かまいたち山内さんが新審査員に。笑い飯哲夫さんとノンスタ石田さんは2015年以来の審査員でした。
・令和ロマン 渡辺 850点
まさかまた令和ロマンがトップバッター!…という興奮の中ネタが始まり、興奮のままに全ウケ。やっぱりすごいなと思わされました。去年もそうですが、お客さんに語りかけることで盛り上げやすいネタを選んでいるのがすごいです。
点数は850点。約94点平均ですから、かなり最終決戦進出の可能性が高い点数です。
・ヤーレンズ おにぎり屋 825点
なんと次はヤーレンズ!という興奮のままにネタが始まり…、ただ全ウケというほどではなく。下げどころというか、合計点を見ると「今回は優勝争いに絡む可能性は低いだろう」と判断された感じがしました。シビア。
・真空ジェシカ 商店街 849点
なんと次は真空ジェシカ!もう決勝は四度目なんですね。毎回審査員がどう評価するか(というかボケの元ネタを理解できるか)が審査員への毀誉褒貶のもとになっていた気がしますが、今回は元ネタがわかる必要のあるボケがほぼなかったと思います。それでいて政治絡みで角度のある笑いもあり、ぐいぐいと笑いを取る、集大成的なすごみのあるネタでした。点数は令和ロマンとほぼ互角。
・マユリカ 同窓会 820点
敗者復活から勝ち上がったマユリカで、敗者復活とは違うネタ。準決勝はこちらをやっていました。
この一年ですっかり売れっ子になったので、期待が大きいというか、思っているマユリカよりもっともっと面白いものが見られるんじゃないかという期待があったように思いました。同窓会なのに相手のあだ名とかを知らなくてびっくりするというのはどうなんでしょう。
点数は振るわなかったももの、阪本さんの「大急ぎで負けに来たってことですか」が大ウケ。さすが。
・ダイタク ヒーローインタビュー 820点
ついにとうとうダイタクが決勝に!ただこのネタ、準決勝で見た時にコンプラアウトなんじゃないかと思ったんですが、実際最初の浮気をごまかすところからずっと、何をしたかの部分で全然ウケてないですよね。そういうネタなので当然なんですが、そこがウケないと流れが止まってしまうという…。以降もいいか悪いかで言うと悪いことのオンパレードなので、そこは今の時代気になっちゃうよなあと思いました。
でも決勝に来られると来られないでは大違いです。去年のセカンドでマシンガンズを「吉本の社長なら喉から手が出るほどの即戦力」と激賞してくれたダイタクがセカンドに来るのが楽しみです。
・ジョックロック 医療ドラマ 819点
準決勝は最初のマイナンバーカードが大爆発して、その後もいい感じでウケていました。ダイタクの直後じゃなかったらマイナンバーカードがさらに爆発したのかなと思ったり。
相当ちゃんとウケないと点数はつきにくいだろうと思ったんですが、やっぱりそうでした。テンポも準決勝よりうまくいってなかった感じです。
ネタは何本か見ましたが、福本さんのツッコミが予想する角度と毎回ちょっと違っていてすごいと思います。さらにその次に来る追撃のセリフも面白いという二段構えの構図。何より、それをめっちゃでかい声で言うというのが面白い。
ただ、微妙に理解できる人が限定されるワードがあるので、そこの修正もしたらもっとよくなる予感がします。
ボケで笑いが来てないという指摘は確かにそうだなと思いましたが、それが悪いというより、今回そうだったので笑いが増幅していかなかったという感じでしょうか。予選動画では笑いが来てるし、準決勝でもそうだった気がします。決勝のレベルの高い横並びの中で見たら、なんか笑いが来なかったんでしょうね。
年の差コンビだから福本さんが「連れてきた感」があるように見えたのかもしれません。霜降りも最初そうだったでしょうし。それだけに、ゆうじろーさんの「俺が面白くなります!」が最高で、いいコンビだと思いました。
ここまでで上位3組は令和ロマン、真空ジェシカ、ヤーレンズ。常連が固まっていてこのまま最終まで行っちゃったらどうしようかと思いました。「常連が上位にいるからもうこれで決まりだといいな」という空気が会場にあったら嫌だなとか。
・バッテリィズ 名言 861点
そんな中バッテリィズが大爆発!最初からドカンと行く作りのネタではないですが、展開に沿ってちゃんとウケていって、後半はエースさんが躍動してましたね。「にんげんだもので人は有名にならん!」が特に好きです。あと「自転と公転さえわかれば」の、「さえ」だけどその道のりが遠いだろうな…という気持ちになるところも。
バカといえば錦鯉のまさのりさんですが、まさのりさんは「老い」も含めた面白さだと思うので、純粋なバカ、しかも言い返してきて正論を突くバカという新機軸で乗りに乗っていたのがすごかったです。
令和ロマンを抜く高得点!「細そうすぎるやろ」にはまる山内さんと、寺家さんを褒める若林さんが印象的でした。
・ママタルト 銭湯 812点
準決勝は最初のエアコン掃除と「子どもが車道に」がドカンと来て上がったという印象。決勝ではそこがいまいちだったし、となると檜原さんのツッコミがどんどん浮いて見えてしまうという悪循環に…。
東京非吉本ライブシーンだとママタルトはトップの存在で本当に愛されていますが、そこから出てM-1決勝という場に来ると、「大鶴肥満のいるコンビ」としてどんな漫才を見せてくれるんだろうという期待の目が思った以上に強くなると思うんですよね。テレビで見る時の面白さがさらに凝縮されて発揮されることを期待されたと思います。それに応えるような出来だったかというと…。
肥満さんのボケ自体はこんな感じだろうという想定未満でもなかったので、そうなると漫才をコントロールしてボケの面白さを増幅させる役割であるツッコミに目が行くのは当然だと思います。それこそ直前で寺家さんのコントロールぶりが評価されたこととの対比もありますし。
ツッコミは漫才の操縦役で、ウケが来ていないならツッコミ側にやり方もあるはずで、そういう腕前を見せられなかったというのは事実だと思います。
ファンの人たちは「これがいいところだから」と思いたくなるはずですが、いいところをいいところだと感じてもらうためにはウケる必要があるし、ウケる確率を高めるには相応の工夫とプレゼンがいるんじゃないかなと。ツッコミが10よくなれば漫才は50よくなるものだと思います。そのぐらいツッコミは大事。
・エバース 桜の木の下 848点
いつか決勝に行くと話題だったエバース。他の賞レースでも期待されてなかなか結果が出ず…というのが続いていましたが、この日のエバースは本当によかったです。「さすがに末締めだろ」から始まり、町田さんのツッコミというか、会話への乗り方のパターンが全部はまったんじゃないでしょうか。会話の内容や展開の仕方が二人の見た目に絶妙に合っていると思います。「女町田」がこれだけ面白くなるのは、積み重ねがうまくいっているからですね。いいパフォーマンスが見られてよかった…。
ただ残念ながら真空ジェシカに1点及ばず敗退。
・トム・ブラウン ホスト 823点
大トリは準決勝でも大トリだったトム・ブラウン。面白いけど準決勝とはウケ方が違うなあ…というのが見ていてもどかしくて、みちおさんのパフォーマンスも少しずつ変わってきた気がしました。意外と、崩れてしまうことが功を奏しない漫才だと思うんですよね。セリフを追加できないですし。
「普通の漫才で満足できなくなった人向けの漫才」みたいに言われていましたが、よく考えるとそんなことはないですよね。もちろん初見でも笑えるし、子どもでも笑えるし、「展開」としての殺し方のバリエーションや長さがちゃんとそういう風に作ってあるネタだと思います。殺し方は銃一発だから、殺した後にやることのバリエーションか。
これで一本目終了。上位になったバッテリィズ、令和ロマン、真空ジェシカが最終決戦へ。
・真空ジェシカ アンジェラ・アキ
令和漫才米騒動で、M-1があるから配信なしと言って始まったネタがこれで、「これやるの?ほんとに?」と思って準決勝でもやらないからやっぱり冗談だったかと思ったらまさか最後の最後で!
これもマニアックボケにはとどまらない笑いで、いわゆる幅が出ていてよかったと思います。
・令和ロマン タイムスリップ
準決勝でやったのはこのネタ。準決勝は後半にかけて盛り上がっていった記憶があるんですが、この日は間が空いても最初から全ウケでした。
・バッテリィズ 世界遺産
これもちゃんとウケてよかったです。一本目といい、単にむちゃくちゃなバカじゃなくて、エースさんにはエースさんなりに大事なものがあって、その観点から何か言っているように見える台本なのがすごい。
ただ令和ロマンの全ウケの余韻がまだ残っていたのかも…。
9人による投票の結果、真空ジェシカ1票、バッテリィズ3票、令和ロマン5票で令和ロマンが優勝!
2009年、2010年以来の前年王者がエントリーした大会は、史上初の2連覇で幕を閉じました。
去年はなかなか盛り上がらなくて見ていてどうしようかと思いましたが、今年は準決勝から盛り上がっていて本当によかったです。
敗者復活の結果がいろいろと言われていますが、完全に審査員が審査する形だと準決勝の再試合になってしまうので、違うルール、違う選び方で1組上げるぐらいはいいんじゃないかなと思います。去年のシシガシラほどインパクトのあるネタをやる組が出てこなかったから知名度勝負になった面もあると思いますし。
2連覇したらどうなるのか、何が起きるのかというのは未知の領域でしたが、実際に達成されてみると別に次の日から世界がひっくり返るわけでもなく、令和ロマンの優勝のインパクト自体は去年の2倍にもならず1.2倍程度にとどまり、その分バッテリィズが話題になっている感じがします。
既存の有力どころが前半に固まった結果、何が起きるか誰が爆発するかわからないという雰囲気ではなく、順当に実力というか確実性通りのウケになった感じがしました。
ジョックロックはまだコンビ歴が浅いしネタの作り上相当ウケないと点が付かない、ママタルトはちょっと難しい、ダイタクは爆発というより安定感…となると、常連に対抗できるのがエバース、バッテリィズという東西の期待株、芸歴もそこそこでちゃんとかけ合いをしているコンビだというのは納得です。
トム・ブラウンは大トリになったのも、期待されて出てくるのも、かなり逆風になったと思いました。
令和ロマンは去年の準決勝はこれは上がったなというほどダントツでウケていたわけでもなく、今年の準決勝もネタの最初からドカンとウケているわけでもなく後半にちゃんと盛り上がった結果一ウケだった印象なのですが、決勝になると去年から4本続けて大爆発してるんですよね。
M-1はテレビ番組ですから、普段のライブと勝手が違う部分がたくさんあって、何回出てもベストパフォーマンスをするのは難しいものなので、上に書いた確実性を限りなく上げることを技術としてやっているんだと思います。
何かとくるまさんは分析通りとか狙い通りと言われがちですが、面白いことを全力でやって人を楽しませて、運と実力の兼ね合いでちゃんと勝てているというのはまず大前提だと思います。見ている最中に無機質なものを感じさせないのもすごいです。
最終決戦が令和ロマン、真空ジェシカ、そしてバッテリィズという並びになったことで、高学歴vsそうでない人みたいな構図になりましたが、学歴が高いかどうかで芸人に線を引くのはあまりよくないんじゃないかなと思います。正確には大学お笑いを経験しているかだと思うし、何より線を引く時に、引く人自身は自分を学歴が高く教養がある側に置くことが多いと思うので。
高学歴の芸人さんと言っても、バックグラウンドも自分の学歴に対する考え方も人によって違うでしょう。学歴のわりに特に分析家と言われていない芸人さんもいるし、もちろん大学を出ていなくても分析はできるし…。
学歴が違えば芸人としての能力が違うみたいな言い方はよくないと思います。
審査員は本当によかったです。中ではともこさんがいろいろ言われていますが、全員が技術を細かく詰めたコメントをしても気詰まりになると思うので、ああいうコメントができる人の存在はとてもありがたいです。お笑いにはそういう感性も絶対に必要だと思うので。
大会のレベルが上がって審査員が審査されるようになると、「採点を言語化できる人がいい」という意見が増えましたよね。私も最初はそう思っていましたが、あまのじゃくなもので、あまり言語化ばかりが求められるようになると、そこまで求めなくていいんじゃないかなと思い始めました。
「言語化」ってそこまで正確で万能なものではないと思うんですよ。思っていることを言葉にした時、出てきた言葉が思っていることを正確に言葉にしたものかというのは本人以外にはわからないことなので。
私のこの文章も、思っていることを正確に言葉にしているとは限りませんし。実際に思っていることをそのまま書くと角が立つから、オブラートに包んだり、言い回しをちょっと変えたりしています。
いかに思っていることを正確に書くかというより、読んで据わりのいい文章になるように書くわけで。この記事だって、ここから今年の大会をいいようにも悪いようにも据わりよく着地させられます。
言葉というのは弄することもできるものです。言語化の過程でどんな思惑を入れているかは外からはわからないので、もっともらしい言葉を言っている人が正しく賢いわけではありません。
だから、もっともらしい言葉を言うイコール言語化がうまいではないと思うんですよね。
ともこさんのヤーレンズへのコメントは、言葉にできないということをはっきり伝えているわけで、率直でとてもよかったと思います。
じゃあどういう審査員がいいのかというと、結局感じがいいコメントができることですかね…。採点はもう、そんなに変な人は出てこないと思いますし。
KOCにも言えることですが、芸人さんによって笑いの流派って違うと思うんですよ。優勝するにはいろんな流派の人から支持を集める必要がある。
だから、「誰の審査が適切なのか」と考えたくなる人は、「自分は誰の流派が好みなのか」に置き換えて考えるといいんじゃないでしょうか。
剣道はやったことないですが、相手の防具のどこを打突するか、竹刀のどこで打突するかがルールで決まっていますよね。面、胴、小手、突きの部位だったり、竹刀の持ち方使い方だったり。剣道は統一されたルールになっていますが、剣術の流派では違いがあるんじゃないでしょうか。
それと同じように、基本の型がどれで、OKとされる笑いの取り方はどの範囲なのかというのが、お笑いの流派ごとに結構ちゃんとあると思います。かっちりした型を重んじる流派もあれば、かなり自由に竹刀を使っていいという流派もあるでしょう。
それは流派、戦い方の違いであって、誰が正しい間違っているという話ではないですよね。
たとえば、衣装はどうか、下ネタはありか、有名人の名前はありか、他人のギャグはありか、ネットミームはありか、ネタから降りるのはありか、小道具を出すのはありか…。こういう考え方が地域ごと、事務所ごとだけでなく、芸人さんごとに多様にあると思います。
ちなみにマシンガンズは面を脱いで投げつけるのもありな流派だと思います。
だから審査員ごとに採点も変わってくるわけで、他の流派への採点も人それぞれです。
なので、自分と違う感性の審査員がいたら、流派が違うんだなと思うのがいいと思います。最近はそう思うようになりました。
賞レースはカタログなので、自分の信じる正義のお笑いが執行される場ではないですからね。好きな漫才、好きな感性の審査員に出会って、自分の好みを知ることができる最高の機会です。
結局、自分が一番面白いと思うものを突き詰めて見てたくさん笑うことが一番大事なんですから。お笑いを見まくる目的なんて、めちゃくちゃ笑うこと以外にありません。
たくさん笑うという点で、今年の準決勝と決勝は本当に面白くて盛り上がってよかったです。
準決勝で思い出に残るぐらい好きだったのは、「にんげんだもので人は有名にならん」と、「やっぱりちょっとカード作るの怖いなー!」と、ドンデコルテの「来たら返すんですよ」と、例えば炎の全体と、豪快キャプテンのギャンゴリさんがむちゃくちゃキレてるところと、滝音の「ボキャブラもうすぐ天国」と、トム・ブラウンの後半全部と…。
面白い漫才がたくさん見られて大満足でした。
今年のM-1も面白かったです。皆さんお疲れさまでした!
(23:40)
2024年12月17日
まさかの令和漫才米騒動とかぶるという。
簡単な感想と、ウケ具合プラス自分の好みを△〇◎で書きます。
ベストアマチュア賞は乙女ブレンドでした。
・ロングコートダディ ドラゴンハンター △
アマチュアの後だからプロはすごいなと思うものの、この出番順だと前座なりの見え方になるのが恐ろしかったです。
・豆鉄砲 カメラマン 〇
ぐいぐいウケてました。すごい。
・例えば炎 張り込み 〇
いい意味であまりにも中身がゼロ、でもものすごく面白かったです。
・十九人 耳が痛い △
前半はさすがに笑いどころがなさすぎてやばい雰囲気でしたが、後半は持ち直していました。
・スタミナパン デート 〇
言葉選びや掛け合いに独特の雰囲気が出ているのがすごい。
・オズワルド 一口馬主 〇
これだけ出ていてもやっぱりうまいし面白い。
・フースーヤ 戦隊ヒーロー △
客がもっともっとと期待するのを超えなかった感じかなと。
・カラタチ オタク 〇
かなり良くできてるけど用語がわかりにくいのが難点かなと思いました。
・ドンデコルテ 恋バナ 〇
内容もいいしメリハリのあるウケ方をしていたので行ったかもしれないと思いました。
・ママタルト 銭湯 ◎
結構外すけれど当たるところが大きかったので、上がってもおかしくない出来でした。
・家族チャーハン カレー屋 〇
漫才コントだけど見せ方がいいのか、結構新しい感じで面白いです。ここも行ったかもしれないと思いました。
・今夜も星が綺麗 エレベーター △
3回戦から足した部分もあっただろうけどあまり功を奏さず、わかりにくい部分もあり、スタミナ切れという感じでした。とはいえ三福さんがここまで来たというのが本当にすごい。
・インディアンス もうええわ 〇
これもいい意味であまりにも中身がゼロ。だけど結構仕掛けというかこれまでのネタと差別化するポイントがあってよくできていたと思います。
・バッテリィズ 名言 ◎
後半かなり盛り上がったのでこれは行ったんじゃないか?という出来。前半トップだったんじゃないかなと思います。
・金魚番長 格安航空 ◎
流れに乗ってかなりウケていました。後半が好みがわかれるかなと思いました。
休憩
・ジョックロック 医療ドラマ 〇
もっと笑いが来てもいいと思うぐらい面白かったです。
・男性ブランコ ヒーローごっこ 〇
音符運びの系列。男ブラここにありという感じでした。
・マユリカ 同窓会 〇
知名度や期待感のわりにという感じでした。
・滝音 趣味 △
これまでの滝音の準決勝の一番いいネタだと思いましたが、じわじわ笑い程度だったような…。
・ナイチンゲールダンス レンタル彼氏 〇
去年のネタとかなり似た印象。ヤスさんが女性役なのに全然そうじゃないのも同じ。
・ダンビラムーチョ 羽化 〇
みんながダンビラムーチョ好きすぎる。
・豪快キャプテン すき焼き 〇
東京でも受け入れられつつある感じでしたが、後半は怒涛のツッコミというよりもはや暴走、混乱の域に達していて最高でした。
・ヤーレンズ おにぎり屋 ◎
いつもの感じだけどとにかく強い。
・ダイタク ヒーローインタビュー 〇
集大成という感じで、かつ肩の力が抜けているようでよかったです。
・カベポスター しゃぶしゃぶ 〇
交代で演じるのがダイタクと少し重なったかなと思いました。
・ひつじねいり 方言 〇
しっかりウケていました。この出番順で沈まなかったのはすごい。
・真空ジェシカ 商店街 ◎
ここもこれまでの集大成のようなネタ。川北さんがいよいよ剣豪っぽい。
・シシガシラ 怖い話 〇
大きな舞台で見るとこじんまりして見えるのですが、脇田さんの顔が小さいからか、声質の問題なのか。
・エバース 葬式 〇
とにかく内容がよかったです。
・令和ロマン タイムスリップ ◎
出てきたくるまさんのセリフが「終わらせましょう」w 盤石にウケていました。
・トム・ブラウン ホストクラブ ◎
まさかの大トリトム・ブラウン。ここもウケていました。
今言っても意味がないですが、準決勝が終わっての私の予想は以下の8組。
バッテリィズ
金魚番長
ジョックロック
ダンビラムーチョ
真空ジェシカ
ヤーレンズ
エバース
令和ロマン
トム・ブラウン
実際の結果は、ダンビラムーチョと金魚番長の代わりにママタルトとダイタクが入りました。
準決勝を見ての予想がこれだけ当たったのは久しぶりだと思います。見ていてとても納得のいく審査結果でした。
今年は開始時間が遅れることもなく、ベストアマチュア賞のコンビとのトークもコンパクトで、ベストキッズのネタ披露もなく、告知関連の話も少なく、とてもテンポがよく本編に入れたと思います。
そしてロングコートダディ、豆鉄砲、例えば炎という非常にレベルの高い滑り出しだったのもあって、去年に比べて前半からとても盛り上がったと思います。改善されてよかったです。
全体的に本当に面白かったし、ウケているところ、内容がよくてここを上げてほしいと思ったところがほぼ勝ち上がったという点で、個人的には2019年に並ぶくらい満足度の高い準決勝でした。
審査員が発表されましたが、審査員に文句を言う人はどうあっても言うので、そういう人の声は無視してほしいと思います。
でもそういう人ほど「自分は何にでも文句を言っているわけではない」って言うんですよね。
今年のKOCも審査でやたら文句が出てきましたが、ああいうのは「今目の前にある一番の不満」を取り立てて言っているのがバズって目立つだけなので、人選に文句がなくなったら次は1点単位で文句を言われるようになっただけだと思います。
つまり順繰りに「今ある一番の不満」を過去最大の問題点だと思っている人が炎上させているだけです。今回M-1の審査員が若返ったら「大御所がいない」が始まったのが典型で。まともな人ばかりになったら変な人も入れろと言ったり、永久に満足することがないという自覚がないまま他人に要求するのはおかしいと思います。だって、結果がおかしかった回があるとは思っていないはずなのに、それでも改善点を思いつこうとしてるんですよ。頼まれてもいないのに。
メンツを見て「何かがおかしい、それが自分にはわかるんだ」と思いたくなるのは人間のよくある心理なのかもしれませんが、そこで踏みとどまってよくある心理に流されないようにするのが理性というものだと思います。
とはいえ踏みとどまらない人だけが「おかしい」という発信をしてしまうんですよね。
そんな勝手な要求を受け止めるスタッフや審査員の身にもなってみてほしいと思います。
メンツを見て「何かがおかしい、それが自分にはわかるんだ」と思いたくなるのは人間のよくある心理なのかもしれませんが、そこで踏みとどまってよくある心理に流されないようにするのが理性というものだと思います。
とはいえ踏みとどまらない人だけが「おかしい」という発信をしてしまうんですよね。
そんな勝手な要求を受け止めるスタッフや審査員の身にもなってみてほしいと思います。
KOCの感想も書いていたのですが、審査員への不満を見ていたらすっかり嫌になってしまったので…。
でも「これで問題ない」と思う側もちゃんと発信しないとだめですね。
とにかくとても面白い準決勝だったので、敗者復活と決勝戦も楽しみです。
(00:07)
2024年08月28日
漫才米騒動復活!
漫才米騒動フリークを自称しているので、マシンガンズがYouTubeで開催を発表した時はめちゃくちゃうれしかったです。
ちなみに私がまとめた米騒動ヒストリーはこちら。
ちなみに私がまとめた米騒動ヒストリーはこちら。
ネタ順をくじ引きで決めるのが米騒動イズム。ただマシンガンズはトリ固定。マシンガンズがトリ固定!!
1.ぐりんぴーす マイホーム
久々にぐりんぴーすが見れてうれしい…。トップバッターをとても嫌がる牧野さん。
2.きしたかの なぞかけ
漫才をやり始めたのはわりと最近のはずですが、東京漫才のイズムを感じます。
3.風藤松原 ファミレス
久々に風松が見れてうれしい…。滝沢さんが後で配信で言っていたとおり、変わらない風松節がちゃんとあるのもうれしい。
4.ぱーてぃーちゃん 万引きGメン
脱線しまくりで大爆発!
5.わらふぢなるお 自己啓発
ぱーてぃーちゃんの後で立て直して自分たちの空気にする剛腕ぶり!
6.ブラックパイナーSOS ギャップのある人
久々にブラパイが見れてうれしい…。5時間ネタ合わせしたことをオープニングで散々いじられて上がったハードルを見事に飛び越える出来。
7.ハンジロウ 同級生
えげつないほどの仕上がりっぷりで、仕上がってるという事実でさらにウケが大きくなってたような。
8.マシンガンズ 有名人
主催なだけあって、ネタの入りから気合いが普通のライブと全然違う気がしました。こんなに気合いの入ったマシンガンズが見られるなんて!
ネタが押したのでコーナーはなくそのままトークがてらエンディングでした。
行った人見た人は全員そうだと思うんですが、ネタもトークもずっと面白くて、信じられないほど満足度の高いライブでした。
マシンガンズが自分たちのライブだという自覚のもと、いつもよりさらに好き勝手に大暴れしている感。マシンガンズが好き勝手にいじってふざけて大暴れしたら、本当に誰も勝てないような爆笑になるんですよね。
もともとの漫才米騒動と同じ要素と言えばネタ順のくじ引きぐらいなんですが、ずっと爆発的に面白いところはまさに漫才米騒動を感じました。「ドッカンドッカン」ではなくて「ドガガガガガガ」みたいに笑いが起きて笑い疲れるライブだったんですよね、漫才米騒動は。
マシンガンズ主催といえば「おじフェス」もすごく面白かったんですが(あれもきしたかのがいて高野さんがマシンガンズにゴリゴリにいじられて爆笑を取っていました)、会場が大きなホールだったので、このサイズの小屋でこの爆笑が続くとそれはもう比べ物にならないほどの熱気になります。
こうやって芸人さん主催のライブで漫才だけの縛りでネタ順もくじ引きで…となると、漫才師同士の勝負みたいなバチバチ感もちょっとあるのかなと思いますし。
あとは私が通っていた頃の太田プロライブの中心メンバーが揃うライブがまた見られたことがとにかくうれしくて感無量でした。
たぶんこのライブの主目的はマシンガンズの新ネタ作りだけでなく風松とブラパイの再起にもあると思うんですが、マシンガンズがいきなりこんなシンデレラ状態になったんだから、誰に何が起きてもおかしくないんですよね。風松はTHE MANZAIで決勝に行ってプチバブルがあったし、ブラパイはブラパイでボキャブラで売れたものの賞レースではまだ何もないし、まさにセカンドチャンスを待っている人たちで。
でも、おじさんになると事務所ライブにも外部のライブにもまず出られなくなるんですよ。集客力がないので。だからみんな漫才協会に入るんですよね。
自分たちが新ネタを作る機会とともに他の漫才師にそういう場を作ろうとマシンガンズが思い立った、思い立つようになったのはすごいことだし、その時に掲げたタイトルが「漫才米騒動」だったことも本当にうれしかったです。私がお笑いを見てきた中で一番大事にしてきたものを、マシンガンズもやっぱり大事に思っていたんだという。
辞めずに同じコンビで続けてきた漫才師への降って湧いたスーパーボーナスチャンスがTHE SECONDだと思うので、何かのきっかけになってほしいです。風松もブラパイも本当に面白いので…。
(21:46)